アカシアのあたたかさと朗らかさ、3月の春
たぶんギンヨウアカシアかとおもいます。
ご近所でも咲きほこっていました。
クロード・シモン『アカシア』(平岡篤頼訳、白水社)のほうは、たぶんフサアカシアのことかとおもいます。
「ミモザ」はアカシアの総称だそうです。
「ある夜、彼は一枚の白紙を前にテーブルに向かった。いまは春だった。部屋の窓はほの温かい夜の闇に向かって開いていた。庭に生えている大きなアカシアの木の枝の一本がほとんど壁に触れていて、電燈に照らしだされたいちばん近くの梢が彼にも見え、ペン先に似たかたちの葉が闇を背景にかすかにひくつき、楕円形をした小葉が電燈の明かりでどぎつい緑に色づいて、時折冠毛みたいに動き、まるでそれ自身の力にうながされているみたいで、まるで木全体が目覚め、武者ぶるいし、気合をいれるみたいで、それからすべてが鎮まり、葉群ももとの不動の姿を取りもどすのだった。」https://www.hakusuisha.co.jp/book/b206106.html