『主婦と労働のもつれ ―― その争点と運動』
村上 潔 [著]
- 発 行 洛北出版
- 四六判・上製・334頁
- 2012年4月末発売
- ISBN 9784903127156 C0036
- 定 価(本体価格 3,200円+税)
「主婦的状況」の過去と現在
「働かざるをえない主婦」、そして「勤めていない主婦」は、戦後の日本社会において、どのように位置づけられてきたのか/こなかったのか? 当事者たちは、どのように応答し、運動してきたのか?
目 次
序 章
本書の問題意識と構成
問題意識
本書の構成
第1章
主婦は「働くべき」か? という問い ――「主婦論争」再検討
「主婦論争」の様相
「主婦論争」の問題点
「主婦論争」の新たな理解モデル
論争以後の、当事者による諸実践の意味
まとめにかえて
第2章
「主婦パート」は何が問題か ―― 初期パート労働評価について
高度成長期における「主婦」の「パートタイム労働」
パート労働への評価
論点の整理と問題の所在
まとめにかえて
第3章
「主婦性」と格闘/葛藤する主婦 ―― 1970年代、東京都国立市公民館での実践
「主婦的状況」の探求
「主婦的状況」そのものの問題化
その後の「主婦的状況」をめぐる問題提起
まとめにかえて
第4章
「主婦的状況」を撃て!――〈主婦戦線〉の/という戦い
〈主婦戦線〉の活動とその思想(1)
〈主婦戦線〉の活動とその思想(2)
〈主婦戦線〉の活動とその思想(3)
〈主婦戦線〉の思想の特徴
まとめにかえて
第5章
「パート主婦」は労働者である ――〈主婦の立場から女解放を考える会〉・〈パート・未組織労働者連絡会〉の奔走
〈主婦戦線〉、〈主婦の立場から女解放を考える会〉、〈パート・未組織労働者連絡会〉
パート問題は「労働問題ではなく主婦問題」
「働き続けるべき論」批判・「ひまつぶしパート」言説批判
パート問題は「主婦問題ではなく労働問題」
まとめにかえて
第6章
主婦だからできる「働き」?――ワーカーズ・コレクティブのアポリア
主婦たちの労働実践としてのワーカーズ・コレクティブ
日本の労働者協同組合が抱える問題
ワーカーズ・コレクティブの現在的地平はどこにあるのか
ワーカーズ・コレクティブの今後の展望
まとめにかえて
終 章
働く/働かない/働けない、主婦と女性の行く末
諸論点へのアプローチ
いま、「主婦」を問題にすること
おわりに
あとがき/ 文献一覧/ 索 引
* * *
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著者紹介
村上 潔 Murakami Kiyoshi
1976年、横浜市生まれ。専門は現代女性思想・運動史。東洋大学文学部史学科(日本史専攻)卒業。東洋大学大学院文学研究科日本史学専攻博士前期課程修了[文学修士]。立命館大学大学院先端総合学術研究科一貫制博士課程修了[博士(学術)]。現在、立命館大学衣笠総合研究機構研究員、立命館大学大学院先端総合学術研究科非常勤講師。
著書に、『家族性分業論前哨』(立岩真也との共著、2011年、生活書院)、『差異の繋争点――現代の差別を読み解く』(天田城介・山本崇記との共編著、2012年、ハーベスト社)。
論文に、「「女性と/の貧困」の問題化におけるアジェンダと展望――〈女性と貧困ネットワーク〉の事例から」(『社会文化研究』第13号、2011年)、「労働基準法改定の動静における女性運動内部の相克とその意味――「保護」と「平等」をめぐる陥穽点を軸として」(『現代社会学理論研究』第6号、2012年)など。
装 幀
本文デザイン・組版・カバーデザインは、洛北出版編集による。
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