『国家をもたぬよう社会は努めてきた――クラストルは語る』、ピエール・クラストル
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『国家をもたぬよう社会は努めてきた――クラストルは語る』、ピエール・クラストル
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『国家をもたぬよう社会は努めてきた――クラストルは語る』、ピエール・クラストル
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『国家をもたぬよう社会は努めてきた――クラストルは語る』、ピエール・クラストル
『国家をもたぬよう社会は努めてきた――クラストルは語る』、ピエール・クラストル
2,600円
この価格に消費税がプラスされます
ISBN9784903127323

国家をもたぬよう社会は努めてきた

国家をもたぬよう社会は努めてきた ―― クラストルは語る
 ピエール・クラストル[著]
 酒井隆史 [訳・解題]

  • 発 行 洛北出版
  • 仕 様 四六判 並製 272頁
  • 刊行日 2021年10月刊行
  • ISBN 9784903127323 C0010
  • 定 価(本体価格 2,600円+税)

 
 

はじめてのクラストル 

 「国家なき社会」は、なぜ「国家なき社会」なのか。
 それは、その社会が「国家に抗する社会」だからである。その社会が、国家を忌〔い〕み嫌い、祓い〔はらい〕のけてきたからである。国家という災厄を、封じ込めてきたからである。

 つまり政治は、国家以前にも存在するのであって、国家は、政治のとりうる形態のひとつにすぎないのだ。ようするに国家は、クラストルによって、その玉座〔ぎょくざ〕から転げ落ちたのだ。

 ピエール・クラストルの『グアヤキ年代記』に感銘をうけ、英語に翻訳して序文まで書いたのが、若き日の小説家ポール・オースターだった(Chronicle of the Guayaki Indians, 1998)。


「〔『グアヤキ年代記』の〕何の気取りもない直截さ、人間らしさに私は打たれた。……自分がこれからずっと追いつづけるにちがいない書き手に出会ったことを確信した。……この本を好きにならないのはほとんど不可能だと思う。じっくり丹念に練られた文章、鋭利な観察眼、ユーモア、強靱な知性、対象に注がれた共感、それらすべてがたがいに補強しあって、重要な、記憶に残る書物を作り上げている……彼〔クラストル〕はめったにいない、一人称で語ることを恐れぬ学者である。」
 〔『トゥルー・ストーリーズ』、柴田元幸 訳、新潮文庫、298-307頁〕

Chronicle of the Guayaki Indians, 1998ピエール・クラストルの『グアヤキ年代記』に感銘をうけ、英語に翻訳して序文まで書いたのが、若き日の小説家ポール・オースターだった
『トゥルー・ストーリーズ』、柴田元幸 訳、新潮文庫、298-307頁


 ピエール・クラストルは、1934年、パリに生まれた。ソルボンヌ大学でヘーゲルとスピノザを学んだあと、クロード・レヴィ=ストロースの学生として人類学の研究をはじめる。さらにアルフレッド・メトロの指導のもとに南アメリカをフィールドにした政治人類学研究を開始。その後、高等研究院教授となる。しかし1977年7月、その影響力のきわみにあるなか、自動車事故によって他界する。

 初期の本格的な論文「交換と権力」の発表からわずか14年あまり。疾風のごとくこの世を駆け抜けていったクラストルは、フィールドとの往復のなかからつむぎだされた著作を残していった。

 本書『国家をもたぬよう社会は努めてきた』の「序文」のなかで、フランスの政治哲学者ミゲル・アバンスールは、クラストル以前と以後を分かつポイントを、3つあげている。

【1】「なき〔不在〕」から「抗する〔対抗〕」への移行。いわゆる未開社会は、国家なき社会なのであるが、そのゆえんは、欠如や欠損ではなく、国家の拒絶である。したがって、それは「国家なき社会」というよりは「国家に抗する社会」である。

【2】威信は与えられているが権力をもたない首長の存在。人々は、首長の言動に目を光らせている。特権への意欲が権力への欲望に転化しないよう、注意を払っているのだ。

【3】国家はあらゆる歴史の地平ではない。「国家に抗する社会」から出発して「国家のある社会」を見ていくことが重要になる。


そしてアバンスールは、次のように述べて「序文」を締めくくっている。


「この声に耳をかたむけよう。自由であり、かつ他者の自由を求める、一人の人間の声。アチェの夜の歌に耳をかたむけ、ラ・ボエシやルソーに耳をかたむけ、災厄以前の「あたらしい人間」に耳をかたむける、一人の人間の声。こうした声のすべてが、ピエール・クラストルのユニークな声とからまりあいながら、共鳴している。」


本書は、クラストルへのインタビューを通じて、彼の著作が人文社会科学全般にもたらした強烈なインパクトを紹介している。クラストルの人類学を知りたい人に、うってつけの入門書である。


目 次

  • ミゲル・アバンスールによる序文「ピエール・クラストルの声」
  • ピエール・クラストルへのインタビュー
  • 訳者による解題「断絶のパッション――ピエール・クラストルとその「事後効果〔アフター・エフェクツ〕」
  • 索 引/訳者あとがき

 

『国家をもたぬよう社会は努めてきた――クラストルは語る』、ピエール・クラストル著の目次画像です。

 

著 者
ピエール・クラストル Pierre Clastres
1934年パリに生まれる。フランスの人類学者。ソルボンヌ大学でヘーゲルとスピノザを研究し哲学を修め、1956年以降、クロード・レヴィ=ストロースの学生として人類学の研究をはじめる。さらにアルフレッド・メトロの指導のもとに南アメリカをフィールドにした政治人類学研究を開始。その後、高等研究院教授となる。1977年7月、その影響力のきわみにあるなか、自動車事故によって他界した。
 日本語に翻訳された著作として、
・『グアヤキ年代記――遊動狩人アチェの世界』(毬藻充訳、現代企画室、2007年)、
・『国家に抗する社会――政治人類学研究』(渡辺公三訳、水声社、1987年)、
・『大いなる語り――グアラニ族インディオの神話と聖歌(毬藻充訳、松籟社、1997年)、
・『暴力の考古学――未開社会における戦争』(毬藻充訳、現代企画室、2003年)
などがある。


訳・解題
酒井隆史 Takashi Sakai
1965年生。大阪府立大学教員。専門は社会思想、都市史。
著書として、『通天閣――新・日本資本主義発達史』(2011年、青土社)、『暴力の哲学』(2004/2016年 河出文庫)、『完全版 自由論――現在性の系譜学』(2001/2019 河出文庫)など。
訳書として、デヴィッド・グレーバー『負債論――貨幣と暴力の5000年』(共訳、2016年、以文社)、『官僚制のユートピア』(2017年、以文社)、『ブルシット・ジョブ――クソどうでもいい仕事の理論』(共訳、2020年、岩波書店)。アントニオ・ネグリ&マイケル・ハート『〈帝国〉――グローバル化の世界秩序とマルチチュードの可能性』(共訳、2003年、以文社)。マイク・デイヴィス『スラムの惑星――都市貧困のグローバル化』(共訳、2010年、明石書店)など。


本書の一部分を「ためし読み」していただけます。
 以下の画像をクリックしてご覧ください。

『国家をもたぬよう社会は努めてきた――クラストルは語る』はじめてのクラストル。ためし読みできます。


 ピエール・クラストル『国家をもたぬよう社会は努めてきた――クラストルは語る』はじめてのクラストル――本文の見本その2

 

 

ピエール・クラストル『国家をもたぬよう社会は努めてきた――クラストルは語る』はじめてのクラストル――本文の見本。

 

 

装 幀
 本文イラスト・組版・カバーデザイン、装画、いずれも洛北出版編集による。


ピエール・クラストル『国家をもたぬよう社会は努めてきた――クラストルは語る』のジャケットの全面です。

  

● 書 評

政治学者の栗原康さんによる書評が「信濃毎日新聞」(11月27日)に掲載されました。

政治学者の栗原康さんによる書評が「信濃毎日新聞」(2021年11月27日)に掲載されました。全文は「信毎デジタルパスポート」でご覧下さい(ご登録が必要のようです)


「西日本新聞」に、ピエール・クラストル『国家をもたぬよう社会は努めてきた』の書評が掲載

西日本新聞」2021年12月25日に、書評が掲載されました。
評者は、森元斎さん(『国道3号線 抵抗の民衆史』共和国、『もう革命しかないもんね』晶文社、などの著者)です。
全文は、会員限定記事ですが、西日本新聞」でご覧いただけます。

 

ピエール・クラストル『国家をもたぬよう社会は努めてきた』「読売新聞」の書評

 「読売新聞」(2022年1月9日 日曜 朝刊)にも書評が掲載されました。
評者は、文化人類学者の小川さやか氏(『「その日暮らし」の人類学』『チョンキンマンションのボスは知っている』等の著者)です。
全文は「本よみうり堂」で読むことができます。

 

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