『体制の歴史 ―― 時代の線を引きなおす』
天田城介 & 角崎洋平 & 櫻井悟史 [編著]
- 発 行 洛北出版
- 2013年6月刊行
- 四六判 並製 606頁
- ISBN 9784903127194 C0036
- 定 価(本体価格 1,880円+税)
◆ 1章 ┃ 天田城介
戦時福祉国家化のもとでのハンセン病政策――乞食労働・都市雑業労働の編成
当事者の歴史記述をいかに診断するか
当事者の語る歴史を受け止めた上で歴史を診断する
本妙寺集落の形成と変容
本妙寺集落の自治組織化
本妙寺集落の消滅
戦時動員体制/戦時福祉国家化体制での乞食労働・都市雑業労働の変容
創造的な歴史の導き方
◆ 2章 ┃ 角崎洋平
構想される「生業」への経路――貸付による離陸
「測量」する者による貸付
福祉的貸付制度史の断絶を埋める ――戦後直後の実践と構想
戦後の福祉的貸付と民生委員
「生業」という「離陸」経路の縮小
おわりに
◆ 3章 ┃ 佐藤量
満洲開拓者の再定住と生活再建
はじめに
満洲引揚げ者と米ソ冷戦
満洲開拓者の人的つながり
開拓者ネットワークと生活再建
おわりに
◆ 4章 ┃ 松田有紀子
「女の町」の変貌――戦後における京都花街の年季奉公をめぐって
はじめに
「女の町」の年季奉公体制
「女の町」の転換期
「女の町」における労働者の発見
「女の町」の変貌
おわりに
◆ 5章 ┃ 小泉義之
精神衛生の体制の精神史――1969年をめぐって
「批判」「改革」と「反」「脱」
社会防衛の下での医療化
精神医療の拡大 ――学会の改革(1969年)
精神と心理の統治体制へ
◆ 6章 ┃ 櫻井悟史
笞刑論争にみる死刑存置を支える思考様式
苦痛を与えることを目的とする刑罰の系譜
明治期の刑罰思想小史 ――小河滋次郎の戦略的撤退
笞刑を支える輿論 ――笞刑論争の背景と後世の歴史診断
刑罰における苦痛をめぐる争い
痛苦懲戒主義の間欠泉としての死刑
◆ 7章 ┃ 福間良明
叛逆者としての「磯部浅一」の発見――『日本暗殺秘録』(1969年)をめぐって
「打算」と「浅慮」――『日本暗殺秘録』前史
「磯部浅一」映画の誕生
「磯部浅一」のその後
◆ 8章 ┃ 酒井隆史
Notes on the Snake Dance / Zigzag Demonstration
A Year of Snake Dance ――1960年
Snake Dance phase 2 ――1945年から 1960年まで
ジグザグ・デモと「へたりこみ(坐り込み)」――路上のイニシアチヴ
転換点
ジグザグ・デモ ――批判の経緯と論点
ジグザグ・デモ規制と抵抗 ――フランス・デモの誕生
roots of the snake dance
おわりに
◆ 9章 ┃ 石田智恵
集団の名、集団の顔――アルゼンチンの社会変動と「ニッケイ」
他者化の体制――20世紀前半
白人の国の東洋人
「移民/国民」の新たな形象と体制の変容
「ニセイ」と「ニッケイ」のあいだ
おわりに
◆ 10章 ┃ 近藤宏
アポリアを生み出す自主管理――パナマ東部先住民エンベラから見る先住民統治体制
実現しなかった強制退去
特別区という制度
代表制と国内移民
先住民共同体をかたどる言説編成
行政区化がもたらすアポリア
◆ 11章 ┃ 冨田敬大
モンゴル牧畜社会における2つの近代化――開発政策の転換と都市近郊の牧畜経営をめぐって
国家体制の転換
社会主義期
ポスト社会主義期
おわりに
著者紹介
装 幀
本文デザイン・組版・カバーデザイン
洛北出版編集
カバー写真、洛北出版編集、撮影場所:東京
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