書評が掲載されました:西成彦『ラフカディオ・ハーンの耳、語る女たち』
1日前

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西成彦『ラフカディオ・ハーンの耳、語る女たち』を書評いただきました。
評者は、長志珠絵(日本近代史 専門、神戸大学)さんです。
長志珠絵さんには、『近代日本と国語ナショナリズム』(吉川弘文館)、『占領期・占領空間と戦争の記憶』(有志舎)などの著作があります。
とても充実した長文の、まさしく書評です。ここまで読み込んで批評くださり、この本を出した版元としても(編集者としても)感謝いたしております。
その全文が公開されています。
「立命館アジア・日本研究学術年報」第6号 2025年8月25日
https://www.ritsumei.ac.jp/file.jsp?id=665881
【一部分のみを引用】
「… ハーンとは誰か。覇権的マスキュリニティという点で常に違和感や疎外感を抱く位置にある――という前半のハーン像は、ハーンという存在を成り立たせた 19 世紀末の男性ヘテロセクシュアル知識人性が同時に、どの集団にも属しがたい文化的領域の体現者としてのハーンの知的営みを説得的なものとし、あるいは開かれた可能性を持つものとして、新たな読みを可能にするものだろう。しかしここでも、著者が「このもうひとつの図書館の記憶を、男たちの図書館へと媒介する役割をすでに来日以前から果たしていた越境的な『フェミニスト』」(280 頁)とみるハーンの「媒介」的役割は、果たしてそれを「フェミニスト性」と考えてよいものだろうか。男たちの図書館の増強、正統派コレクションの部分的足し算にならない保証はないのではないか、という懸念が残る。…」

書評の中で言及されている地図、『ラフカディオ・ハーンの耳、語る女たち』所収

目次1 『ラフカディオ・ハーンの耳、語る女たち』

目次2 『ラフカディオ・ハーンの耳、語る女たち』
